日本の大手ビールメーカーが販売しているビールの種類(スタイル)は、ほとんどがピルスナーと呼ばれるものです。一方、クラフトビールの世界には、100種類を超えるスタイルのビールが存在します。
この記事では、主なビールの種類について解説した上で、クラフトビールで人気のスタイルを5つに絞って解説していきます。
ビールの種類
ビールの種類(スタイル)は、その醸造に使われる原料=酵母によって、大きく2種類に分けられます。
ラガー
その名の通り、「ラガー酵母」と呼ばれる酵母が使われています。
「ラガー酵母」は、発酵が進むにつれてタンクの下の方に酵母が沈んでいくことから、「下面発酵」と呼ばれることもあります。
発酵温度が約5〜10度と低いこと、後述するエールと比べると発酵・熟成期間が長いことが特徴です。
全体的にスッキリとした飲み口で、クリアな喉越しが味わえます。
ラガーに分類されるビールには、次のようなものがあります。
- ピルスナー(Pilsner)
- ボヘミアンピルスナー(Bohemian Pilsner)
- ラガー(Lager)
- シュパーテン(Spaten)
- ヘレス(Helles)
エール
こちらは「エール酵母」が使われるビールです。
発酵が進むにつれてタンクの下の方に酵母が沈んでいくことから、「上面発酵」と呼ばれることもあります。
発酵温度が約15〜25度と高めなこと、ラガーと比べると発酵・熟成期間が短いことが特徴です。
全体的にフルーティな香りで、ラガーと比べて複雑な味わいが印象的です。
エールに分類されるビールには、次のようなものがあります。
- アメリカンIPA(Indian Pale Ale)
- ペールエール(Pale Ale)
- スタウト(Stout)
- ポーター(Porter)
- ウィートエール(Wheat Ale)
ビールの作り方について興味をお持ちの方は、こちらもご一読ください。
人気のクラフトビールの種類(スタイル)
クラフトビールの中でも、人気のあるスタイルはエールに集中しています。ここでは、エールスタイルのクラフトビールの特徴と、代表的な1本を紹介していきます。
※星の数は、あくまでも個人の主観に基づく評価です。
アメリカンIPA
アメリカンIPAは、ホップの苦味と香りが強いのが特徴です。アルコール度数も比較的高いビールが多いです。
- 苦味:★★★★★
- 香り:★★★★★
- アルコール度数:7%~10%
ペールエール
ペールエールは、苦味と香りのバランスが取れているのが特徴です。アルコール度数も比較的低めなので、飲みやすいビールです。
- 苦味:★★★☆☆
- 香り:★★★☆☆
- アルコール度数:4%~6%
スタウト
スタウトは、黒ビールと呼ばれる種類のビールです。コーヒーやチョコレートのような香りと味わいが特徴です。
- 苦味:★★★☆☆
- 香り:★★★★☆
- アルコール度数:4%~6%
ポーター
ポーターも黒ビールと呼ばれる種類のビールです。スタウトよりも軽い口当たりが特徴です。
- 苦味:★★★☆☆
- 香り:★★★★☆
- アルコール度数:4%~6%
ウィートエール
ウィートエールは、小麦麦芽を多く使用したビールです。フルーティな香りと酸味が特徴です。
- 苦味:★☆☆☆☆
- 香り:★★★★☆
- アルコール度数:4%~6%
自分に合ったクラフトビールの選び方
前述の通り、クラフトビールには非常に多くの種類があることから、初めは自分に合ったものを探すのが難しいと感じるかもしれません。
そんな時は、次のポイントを参考にしてみてください。
苦味や香りの強さで選ぶ
クラフトビールは、苦味や香りの強さによってさまざまな種類に分けられます。苦味や香りが強いのが苦手な方は、苦味や香りの少ない「ペールエール」や「スタウト」などの種類を選ぶとよいでしょう。
逆に苦味や香りをより強く味わいたいという方は、「アメリカンIPA」や「ポーター」がおすすめです。
アルコール度数で選ぶ
当然ながら、アルコール度数は低いほど飲みやすいです。そこで、初心者の方にはアルコール度数が低いやはり「ペールエール」や「スタウト」などのスタイルがおすすめです。
「そうは言っても、飲んでみなければわからない」とお考えの方には、さまざまな種類のクラフトビールの詰め合わせセットを買ってみると良いでしょう。
SNSやブログなども参考にして、お気に入りを見つけよう
ここまで、クラフトビールの種類(スタイル)について解説してきました。
クラフトビールのアルコール度数は低くはありませんので、一度に色々なクラフトビールを味わうことは、なかなか難しいでしょう。
SNSやブログのレビューなども参考にしつつ狙いを定め、ぜひ自分のお気に入りを探し当ててみてください。
また、クラフトビールと料理との相性について知りたい方は、こちらもご一読ください。