インドというと、カレーに代表されるスパイシーな料理がすぐに思い浮かぶかもしれません。しかし実は、そのシーンの裏で、静かにそして確実に、ビール文化が花開いています。
この記事では、その奥深い魅力と、見逃せないおすすめ銘柄を掘り下げていきます。
インドのビールの概要
ヒンドゥー教やイスラム教などの宗教的影響により、インドではアルコール消費に対する制限や禁止が一部地域で存在します。しかし、都市部やリベラルな社会ではビールを含むアルコールが普及しています。
インドの多くの地域は熱帯気候で、高温多湿な環境です。そのため、軽くて飲みやすいラガースタイルのビールが好まれます。また、爽快感を味わいやすいよう、低アルコールで飲みやすい特性が重視される傾向にあります。
インドのビールの歴史
インドにおけるアルコールの醸造は古代にまで遡ります。歴史的な記録や文学作品には、スラー酒と呼ばれる伝統的な発酵飲料の言及があります。
このスラー酒は、穀物を原料としていた可能性があり、インドにおけるビールの原型とも言えるぞんざいです。
一方で、前述した通り、ヒンドゥー教やイスラム教など、インドの主要な宗教ではアルコールの摂取に対する制限があります。そのため、現代のビールがインドに導入されたのは、イギリスの植民地化が始まる18世紀でした。
主にイギリス人の兵士や官僚によって消費されていたビールは、徐々に地元の高級市場にも広まりました。19世紀には、インドで最初のビール醸造所が設立され、パレエールやポーターなどのスタイルが生産され始めました。
インドでは、宗教的な制約により、一部地域ではアルコールの販売が制限されている場合もあります。それでも、インドの多様な文化と宗教の中で、ビールは特に都市部やリベラルな層に受け入れられています。
おすすめのインド産ビール
ここからは、日本でも購入しやすいおすすめのインド産ビールを3つセレクトして紹介していきます。
BIRA91 Indian Pale Ale Pomelo Beer
インドの首都ニューデリーに拠点を置くBIRA91醸造所が製造する、柑橘系の風味が際立つIPAビールです。
ポメロ(グレープフルーツの一種)を使用しており、フルーティで新鮮な味わいが特徴。ホップの苦味とフルーツの甘みがバランスよく組み合わさっています。
Kingfisher Premium Beer
インド最大のビールメーカーであるアンベイ社が製造する、インドを代表するビールです。ラガータイプのビールであり、ホップの苦味が少なく、飲みやすいのが特徴です。
軽やかでさっぱりとした口当たりで、インド料理との相性も良く、幅広い料理と一緒に楽しむことができます。
Godfather Lager
インドの首都ニューデリーに拠点を置くゴッドファーザー醸造所が製造する、エールタイプのビールです。
そのまろやかな風味とバランスの取れた苦味が特徴で、日本でも、輸入ビールとして高い人気を集めています。
まとめ
伝統的なラガーから斬新なクラフトビールまで、インドのビールもやはり、多様性と革新性に溢れています。
この機会に、インドのビールを試してみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があるはずです!