クラフトビールというと、市販されている様々な銘柄を思い浮かべるかもしれません。でも実は、ビールは自宅で手作りすることも可能です。
ただし、自家製ビールには法的な注意点もあります。そこで今回は、手作りビールに関する日本の法律、手作りビールキットの使用における注意点について詳しく解説します。
ビールを自分で作っていいの? 酒税法との関連
国税庁では、自作ビールキットについて、Webサイトで次のような見解を示しています。
Q:「手造り麦芽飲料用」の缶入り、いわゆる「ビールキット」を購入して、自宅で自家製ビールを造ることに問題はありますか。
A:酒類を製造する場合には税務署長の免許が必要となります。
酒類とは、酒税法上、アルコール分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることのできるもの又は溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)をいい、当該製品により製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になります。
(中略)
購入された商品については、アルコール分1度以上にならないよう製造方法が取扱説明書に具体的に記載されていると思われますので、その注意書に沿って、アルコール分が1度未満となるようにしてください。
国税庁 お酒に関するよくある質問 【自家醸造】
簡単にまとめると、酒類とはアルコール分1度以上を指すので、それ以下であれば自分でビールを作ってもいいですよ、ということです。
自作ビールというとハードルが高いと感じるかもしれませんが、例えば日本の家庭においては、梅酒作りが盛んに行われており、スーパーなど小売店でも自作キットを購入することができます。
梅酒といってもやはり、アルコール分1度以上を超えてしまうと、酒税法違反となってしまうおそれがあります。
ビールであっても梅酒であっても、アルコール分1度を超えないように作ることは、そう難しいことではありません。
特に、自作ビールキットの説明を読んで作る場合は、誰でも簡単にクラフトビールを作ることが可能です。
具体的にどうすると、アルコール度数が抑えられる?
初めてビール作りにチャンレンジする方は、ビールキットを購入し、その説明書に沿って作成することが一番安全です。
ここでは、知識として、ビールを手作りする際にアルコール度数を抑えるポイントについて簡単に解説します。
糖分をコントロールする
ビールのアルコール度数は、発酵過程で酵母が糖をアルコールに変換することによって生じます。アルコール度数を低く抑えるためには、使用する麦芽や糖類の量を減らす必要があります。
糖分の少ない麦芽を使用することで、アルコール度数を抑えることも可能です。
発酵時間・温度を調整する
通常、ビールの発酵は数日から数週間かかりますが、アルコール度数を抑えるためには発酵時間を短くすることが効果的です。
酵母の活動は温度によって異なります。低い温度で発酵させると、アルコール生成が抑制されます。
適切な酵母を選ぶ
上記に加え、アルコール耐性の低い酵母株を選択することも、アルコール度数を抑える一つの方法です。
なお、ビールの作り方や原料について、より詳しく知りたいという方は、こちらの記事もご一読ください。
ビールを手作りしたい方におすすめのアイテム3選!
最後に、初めてのビール作りにおすすめのアイテムを3つ、紹介していきます。
手作りビールキット マイクロブルワリーフルセット
その名の通り、ビール作りが初めての方に向けたキットで、透明発酵容器やシール温度計、比重計まで必要なもの一式が揃うため、他のものを購入する手間がありません。
さらに、ビール用のペットボトルも30本付属しているので、初めての方でも準備に手間取ることなく、簡単にビール作りを行うことができます。
BR:インディア・ペールエール(ドライホッピング) 1700g
スターターセットで基本を押さえたら、別の種類にも挑戦したいところ。この製品のようなビールキット缶を購入することで、自分の好きな味わいが楽しめるようになります。
こちらのペールエールは、クラフトビール初心者にも違和感なく味わえる銘柄。スターターキットと同時に購入しておくのもオススメです。
手作りビール読本
まずはしっかりとビール作りの基本を押さえてからスタートしたいという方にオススメなのが、こちらの「手作りビール読本」。手軽な作り方はもちろん、自分でホップを育てる方法まで、広範囲にビール作りの知識を学ぶことができます。
まとめ
ここまで、手作りビールキットを使って説明書通りビールを作れば違法ではないこと、おすすめのビールキットを紹介してきました。
愛好家ならば一度はチャレンジしてみたいビール作り。この機会にスタートしてみてはいかがでしょうか。