「せっかく普段より少し高いビールを買うんだから、より美味しく飲みたい」クラフトビールを購入する際には、このように考える方が多いのではないでしょうか。
クラフトビールの魅力は、その豊かな香りや味わいにあります。しかし、グラスの種類や選び方を間違ってしまうと、せっかくの香りや味わいを損なう可能性があります。
そこで、この記事では、クラフトビールのおいしさを最大限に引き出すためのグラスの選び方について解説します。
クラフトビールの種類と特徴
グラスの解説に入る前に、クラフトビールの種類(スタイル)と特徴について簡単に押さえておきましょう。
ここでは、国内で特に流通量の多い、4種のビールについて解説していきます。
ピルスナー
すっきりとした味わいがヨーロッパで人気となり、瞬く間に世界中に広まりました。現在では、世界中で最も多く飲まれているビールスタイルのひとつとなっています。
日本においても、大手メーカーが製造するビールの大半がピルスナーです。
ホップの香りが特徴的で、すっきりとした苦味と、麦芽の甘味のバランスが取れた味わいのビールです。
ペールエール
イギリス発祥のビールで、飲みやすい味わいのビールを開発したいとの考えから誕生。イギリスで広く飲まれるようになりました。その後、アメリカに渡ると、「IPA」という種類に派生しています。
このような経緯から、ペールエールは大きく次の2種類に分けられます。
・イングリッシュペールエール:イギリスで発祥したペールエールで、ホップの苦味がマイルドで飲みやすい
・アメリカンペールエール(IPA):アメリカで発祥したペールエールで、ホップの苦味が強く、フルーティーな香りが特徴的
スタウト
18世紀のイギリスで誕生した、黒ビールです。アイルランドの「ギネス」を思い浮かべていだダクトわかりやすいかもしれません。
スタウトにもいくつか種類がありますが、代表的なのは「ギネス」のようなドライスタウト。苦味が強く、コクがある味わいが特徴です。
ヴァイツェン
小麦麦芽を50%以上使用した、上面発酵のエールビールです。ドイツのバイエルン地方で発祥したビールで、白ビールとも呼ばれています。
フルーティーな香りとまろやかな口当たりが人気となり、ドイツで広く飲まれるようになりました。その後、ヨーロッパや日本などにも広まりました。
※クラフトビールの種類について、より詳しく知りたい方はこちら(クラフトビールの種類(スタイル)を徹底解説! IPAからペールエールまで)の記事もご一読ください。
クラフトビールグラスの種類
クラフトビールのグラスは、次のような種類が代表的です。
ただ、統一された名前や定義が明確にあるわけではないので、ここはざっくり押さえておけば大丈夫です。
ジョッキ
日本の居酒屋さんで一般的なグラス。容量が大きく、持ちやすいのが特徴です。容量も多いため、たっぷりとビールを飲みたいときにおすすめです。ジョッキは、主にラガービールやスタウトビールなどの濃いめのビールと相性が良いです。
パイントグラス
その名の通り、容量は1パイント(568ml)で、底が広く、口径が広いのが特徴です。さまざまな種類のビールを楽しめるオールマイティなグラスなので、家でクラフトビールを楽しみたい方は、まずパイントグラスから初めて見ると良いでしょう。
チューリップグラス
口径が広く、底が細いのが特徴です。この形状により、ビールの香りが口の中に閉じ込められ、より強く感じることができます。チューリップグラスは、主にフルーティーな香りが特徴のビールに使用されます。
クラフトビールのグラス選びのポイント
ここでは、グラス選びのポイントを簡単に紹介します。
香りを楽しむなら、丸い形状のグラスを
全体に丸みを帯びており、飲み口が絞れているグラスは、香りをしっかりと閉じ込めることができるため、香り高いビールを飲むのに適しています。IPAやヴァイツェン、スパイスビールなどにおすすめです。
泡立ちを楽しむなら、テーパー形状のグラスを
底面から飲み口に向けて徐々に狭くなっているテーパー形状のグラスは、ビールの泡立ちが立ち上がりやすい形状になっています。すっきりとした味わいのビールを飲むときには、泡立ちの良いテーパー形状のグラスがおすすめです。
ピルスナービールや、イングリッシュペールエールを飲むなら、テーパー形状のグラスをお試しください。
苦味楽しむなら、フルート形状のグラスを
口径が狭く、底が細いフルート型のグラスは、ホップの成分を口の中に閉じ込めやすいため、苦味を感じやすい形状です。ドライスタウトやIPAなどにおすすめです。
グラス選びは、クラフトビール「沼」への第一歩!?
ここまで解説したのは、あくまでも汎用的なビールグラスです。
「ピルスナーグラス」「ヴァイツェングラス」など、それぞれのスタイルに最適化されたグラスもあるため、自分の好きなスタイルが確立されている方は、そうしたグラスを選ぶと良いでしょう。
グラス選びにハマってしまったあなたは、もうクラフトビール「沼」に片足を突っ込んでいる状態かもしれません(笑)。健康管理に注意しつつ、楽しいクラフトビール生活を送っていきましょう。