最近、じわじわと人気が高まる「微アルコール」のビール。そんな人気の上昇と合わせて「流石に今の時代、飲酒運転なんてしないけど、これなら大丈夫なのでは?」といった声を聞く機会が増えています。
そこで、本記事では、微アルコールのビールなら、飲んでも運転していいのかどうか、解説していきます。
結論:微アルコールを飲んでから運転すると「飲酒運転」になります
重要なことなので、はじめに結論から言うと、微アルコールのビールには言葉通り、わずかながらアルコールが入っています。
そのため、飲んだ後に運転すると飲酒運転になってしまいます。微アルコールであっても、「飲んだら乗るな」を徹底しましょう。
ここからは、その理由を知りたい方向けに、法律や販売されている微アルコールのビールなどの解説をしていきます。
「微アルコール」とは!?
微アルコールという用語には、科学的あるいは法的な明確な定義は存在しません。
2023年11月現在、ビール大手4社(サントリー、アサヒ、サッポロ、キリン)から販売されている「微アルコール」ビールを見ると、そのアルコール分は次のようになっています。
- アサヒビアリー:0.5%
- アサヒビアリー香るクラフト:0.5%
- サッポロ ザ・ドラフティ:0.7%
※サントリー、キリンはラインナップなし。
日本の酒税法では、酒類を「アルコール分1度(1%)以上」と定義しています。これらアルコール分が1%以下の飲み物はビールとは呼べないため、各社「微アルコール」と表現しています。
道路交通法の規定では、血中アルコール濃度が基準となる
ご存知の通り、日本では運転時のアルコール摂取は厳しく制限されています。
法律では、血中アルコール濃度が0.15mg以上の場合に違反とみなされ、違反者には罰金や免許の停止、場合によっては懲役刑が科せられることがあります。
微アルコール摂取が運転に及ぼす影響
さらに医学的な観点から見ると、アルコール摂取は微量であっても、運転能力に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
アルコールは反応時間を遅らせ、判断力を低下させることが知られており、これらは運転において重要な能力です。そのため、安全を最優先するならば、運転前のアルコール摂取は絶対に避けるべきです。
ノンアルコールビールの場合
ここまで解説した内容を踏まえると、やはり「微アルコール」のビールであっても運転前には飲んでいけないと言えます。
「では、ノンアルコールビールの場合はどうなのか?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。答えは「アルコール0.00%」と表記のあるノンアルコールビールならOKです。
なお、日本においては、酒類の業界団体が次のような自主基準を示しています。
ノンアルコール飲料とは、アルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しており、20歳以上の者の飲用を想定・推奨しているものとする。
酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準
仮に、ノンアルコールビールとの表示がなく、「0%」だけの表示があった場合、そのビールには多少なりともアルコールが含まれているおそれがあるため、注意が必要です。その場合は、飲んだ後の運転はしないようにしましょう。
微アルコールビールは、なぜ誕生した?
アサヒやサッポロのWebサイトでは、微アルコールビールの立ち位置について「あまり酔っ払いたくはないけど、ビールは飲みたい」といったニーズに応えるものとされています。
いずれのサイトでも、運転時の飲酒はもちろん、妊娠・授乳期の飲酒(微アルコールビールを飲むこと)については「おやめください」との表記があります。
そうしたケースではなく、ほどよくリラックスしたい時には、微アルコールはビール好きの最高の相棒になってくれるはずです。